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サティ
ジムノペディ 第1番
  


サティ(1866−1925)は13才でパリ音楽院に入学するが、反ロマン・反印象主義を貫き、モンマルトルに入り浸り、24才の時に秘密結社「ばら十字会」に入信。環境音楽の先駆けとしても評価されている。"ジムノペディ"は古代ギリシャのアポロンやバッカスらの神々をたたえる祭典"ジムノペディア"からとられている。


最初の曲が"3つのジムノぺディ"だった。耳の不自由な遥子が弾いてくれたのがこの曲である。
「ヴェクサシオン」/新井満

静かに音楽が流れ出した。懐かしくて、何度聞いても古い記憶の底にズズッと沈んでいくような感じのする、エリック・サティの。あまりにも有名なジムノペディ。
「6番目の小夜子」/恩田陸

もし誰かから、われわれの時代についての質問を受けたなら、おそらく私は、最も偉大なのはドビュッシーとストラヴィンスキーだと答えるに違いない。そして、こうつけ加えるだろう、≪だが、サティは唯一無比だ≫と。
/J. コクトー



「3つのジムノペディ」はサティ初期の傑作で、簡潔ながらとてもユニークなメロディラインを持つ不思議な魅力を秘めた作品です。左手のポジション移動さえうまくいけば弾けるようになります。この曲と並行して練習した「オジーブ第1番」も同時期の作品で、"オジーブ"とは建築用語とのこと。両手のユニゾンに苦労しました。

演奏時間が短い順から並べています。
演奏者 (演奏時間)/感想
アルド・チッコリーニ
サティ・ピアノ名曲集
(3:00)このCD2枚組のアルバムはサティのピアノ独奏曲の集大成で、1966−1971年に録音されたものです。1980年代の新録音もあります。この旧録音での演奏は、すっきりとして、洗練された演奏といえます。
パスカル・ロジェ

サティ:ピアノ作品集
(3:07)1983年の録音。ロジェはラヴェルやドビュシーの演奏に定評があり、またフォーレとかの室内楽のアルバムも出している人。一音、一音選び取っているかのような内省的な演奏。

ブラウンリッジ
マエストロ・クラッック・サティ
(3:14)サティのコンピレーションアルバムで、ブラウンリッジがどういうピアニストであるのか不明。平均的な演奏。このアルバムには、この曲のドビュッシー編曲によるオーケストラ版が収録されていて参考になります。演奏にもよるのかもしれないけど(オーリアコンブ指揮パリ音楽院orc.)、ピアノ独奏の方が断然よいと思う。
高橋アキ

サティセレクション
(3:18)アキさんは、日本におけるサティブームの立役者となったピアニスト。もともと現代音楽のスペシャリストであり、ここでの演奏も明晰、シャープなものとなっています。「オジーブ」と共に練習のお手本としました。
花房晴美

アンコール
(3:38)1996年の録音でピアノ小品を集めたアルバムです。バランスのとれたとても良い演奏だと思います。サティの曲では、もう1曲やはり発表会の定番である「ジュ・トゥ・ヴ」が収められています。他には、ショパンのop 9-2のノクターン、「子犬のワルツ」、「黒鍵」、「亜麻色の髪の乙女」、「トルコ行進曲」、「エリーゼのために」、「トロイメライ」などが収録されていて、いずれもロマンチックな演奏です。
デ・レーウ

サティ名曲集
(4:49)1992年の録音。デ・レーウは1938年生まれの作曲家・指揮者・ピアニスト。とんでもなく遅いテンポで弾いていて、最初びっくりするが演奏の構成力があるので不自然さは感じさせず、そのうち病み付きになります。グノシェンヌ、オジーブなども含め愛聴しているディスクです。彼の演奏において、サティの初期作品の持つ古代へのあこがれみたいなものがうまく表現されているのでは、と思います。デ・レーフのもう1枚のサティのアルバムには、「星たちの息子への前奏曲」他のやはり比較的初期の作品が収録されていて、こちらも大好きです。

■参考Web
ジムノペディ関連CD
サティ関連書籍
 

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