YMOは細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人が'78年に結成したグループで、坂本と高橋が細野のアルバム「はらいそ」に参加したのを、きっかけにスタートした。YMOの斬新なサウンドは国内だけにとどまらず、アルバムのワールド・ワイドでの発売、2度のワールドツアーを通じて海外のポップシーンにもインパクトを与えた。'83年の「散開ツアー」をもって活動を停止したが、'93年に再生YMOとして、9年5ヶ月ぶりのオリジナル・アルバム「テクノドン」を発表した。
- 細野晴臣(1947年東京出身) b, electronics,
vo
- 中学校時代からバンドを組んで演奏していた。立教大学在学中から、高橋幸宏、大瀧詠一などと知り合い、プロのバンド、フローラル(のちのエイプリルフール)に松本隆とともに参加、エイプリルフール解散後、松本隆(ds)、大瀧詠一(vo,g)、鈴木茂(g)と、はっぴいえんどを結成、'72年末まで活動した。
- 坂本龍一(1952年東京出身) kb, per, electronics,
vo
小学5年生の時から芸大の教授について作曲の勉強を始め、東京芸術大学作曲科在学中に大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次によるアルバム「ナイアガラトライアングル」に参加、細野晴臣と出会う。'78年の「千のナイフ」が1stソロ・アルバム。
- 高橋幸宏(1952年東京出身) ds, per, electronics,
vo
小学6年生の時からドラムスを叩いていた。武蔵野美大に進学し、ガロのバックバンドを経て、加藤和彦、高中正義らのサディスティック・ミカ・バンドに参加、バンド解散後は加藤らを除くメンバーでサディスティックスを結成した。
- ○ '70年代 ディスコグフィー
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- ■ YMO
■ 細野晴臣
- コチンの月 '78 Sep.
- はらいそ '78 Apr.(紹介予定)
- 泰安洋行 '76 Jul.
- トロピカル・ダンディ '75 Jun.(紹介予定)
- HOSONO HOUSE '73 May
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■ 坂本龍一
■ 高橋幸宏
○ '70年代 アルバム紹介(発表年降順)
- フェイカー・ホリック/YMO '79 Oct.〜Nov. (発売は'91)
- DISC1(ロンドン、パリ LIVE) @カスタリア Aライディーン Bビハインド・ザ・マスク Cコズミック・サーフィン Dレイディオ・ジャンク Eインソムニア F中国女 Gテクノポリス Hソリッド・ステイト・サヴァイヴァー Iデイ・トリッパー Jファイア・クラッカー Kジ・エンド・オブ・エイジア L1000のナイフ M東風
- DISC2(ニューヨーク LIVE) @ライディーン Aビハインド・ザ・マスク Bレイディオ・ジャンク Cソリッド・ステイト・サヴァイヴァー Dカントン・ボーイ E東風 Fデイ・トリッパー G1000のナイフ Hロケット・ファクトリー I中国女 Jファイア・クラッカー Kコズミック・サーフィン Lジ・エンド・オブ・エイジア
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- 1回目のワールド・ツアー Trans Atrantic
Tour('79 Oct.〜Nov. )でのロンドン、パリ、ニューヨークの公演の模様を収録したアルバムで、このときのサポートメンバーとして渡辺香津美(g)と矢野顕子(kb,
vo)が参加しました。'80年に発表されたこのときのツアーのライブアルバム「パブリック・プレッシャー」では、契約の関係から渡辺香津美のギターの演奏部分がカットされていて、完全な形で発売されたこのアルバムは、ずっと待ち望んでいたものでした。
- ジャズ・ギタリストとしての渡辺香津美は、以前から新宿のジャズ・ライブ・ハウス「PIT
INN」で何度も聴いていて、彼は当時から国内では実力、人気ともNo.1のプレイヤーでした。'79年の6月には、坂本龍一のプロデュースでアルバム「KYLIN」を発表しています。そんな香津美がこの公演で果たしている役割というのは非常に大きなものがあり、ツアー成功の一端は彼の参加によるところにあると思います。
- このアルバムでは、ツアー始めのヨーロッパ(ロンドン、パリ)公演と、最後のニューヨーク公演とが収録され、それぞれ演奏曲もダブっていますが、ライブの出来としてはDISC2のニューヨーク公演のほうが断然いいと思います。最終日とあってメンバーのノリが全然違うし、香津美のギター・ソロもふんだんにフィーチャーされていて、観客の反応もずっと熱くなっているようです。
- ただ顕子さんの天衣無縫のソロ・ヴォーカルが、ちゃんと聴けるのがニューヨークでの「カントン・ボーイ」('80年のアルバム「ごはんができたよ」に収録)だけというのは、ちょっと惜しい。
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KYLIN '79
渡辺香津美(g)
坂本龍一、高橋幸宏、
矢野顕子などが参加 |
- ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー/YMO '79 Sep
- @テクノポリス Aアブソリュート・エゴ・ダンス B雷電 Cキャスタリア Dビハインド・ザ・マスク Eデイ・トリッパー Fインソムニア Gソリッド・ステイト・サヴァイヴァー
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YMOを代表するアルバムでしょう。シンセ・サウンドの斬新さとエキゾティシズムを感じさせる曲作りとが融合して、前作よりポップなYMOサウンドとして確立されています。なかでも@(坂本)、B(高橋)、Dなどの曲はYMOのトレードマークのような名曲です。C(坂本)は、近年の"BTTB"サウンドと共通するものです。Eは勿論レノン/マッカートニーの名曲のカバーで、ワールド・ツアーでも必ず演奏していた彼らの18番。
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- ライブ・アット・紀伊国屋ホール1978/YMO '78 Dec.(発売は'93)
- @ファイア・クラッカー Aビハインド・ザ・マスク B中国女 Cトン・プー Dプラスティック・バンブー Eジ・エンド・オブ・エイジア Fコズミック・サーフィン Gウォンテッド H1000のナイフ
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レコード会社主催の「フュージョン・フェスティバル」でのライブ演奏を収録したアルバムで、ファーストアルバムからの曲を中心に演奏されていて、サポートメンバーには、渡辺香津美(g)と香津美バンドのメンバーなどが参加しています。'79年のワールド・ツアーでの演奏と比較すると単調で面白味に欠けるようです。D、E、Hは、10月に発表された坂本龍一のファースト・アルバム「千のナイフ」からの曲で、とくにEとHは、その後のYMOのライブでの定番曲となっています。Gはピンク・レディのヒット曲のカバーで、これとHは迫力があってなかなかいいです。
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- イエロー・マジック・オーケストラ/YMO '78 Nov.
- @コンピューター・ゲーム(サーカスのテーマ) Aファイヤー・クラッカー Bシムーン Cコズミック・サーフィン Dコンピューター・ゲーム(インヴェーダーのテーマ) Eイエロー・マジック(東風) F中国女 Gブリッジ・オーヴァー・トラブルド・ミュージック Hマッド・ピエロ Iアクロバット
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- YMOのデビューアルバムです。当時流行っていたスペース・インヴェーダー・ゲームの操作音を模した@やDにより、コンピューター・シンセサイザーの使用を強く印象づけられました。しかしながらこの2曲以外では、プログラム制御のシンセを駆使したサウンドであっても、それらはいわゆるテクノの冷たさとは一線を画すものです。
- どこでコンピューターを使っているのか、聞いてみても全然わかんない。メカニカルなものを作ろうとしたわけじゃなくて、機械でなければ出せない音を機械に出させただけなわけです。/細野晴臣
YMOが世界にアピールしたのは、コンピューター・シンセ多用による斬新さと、彼らの東洋趣味的なサウンドの両面によるのでしょうが、そうした要素は、前者ではC(細野)、G(YMO)やH(細野)、後者ではA(マーチン・デニー)、E(坂本)やF(高橋)などに顕著にみられます。中では親しみやすいメロディラインを持ったA、C、E、FなどがYMOを代表する名曲だと思います。
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