PAPERBACK GUIDE

 
  Colin Dexter(1930 -  )
   コリン・デクスター

 イングランド東部のリンカン州スタンフォードの生まれ。ケンブリッジ大学クライスト・カレッジに学び、グラマー・スクールの古典学講師を経て、66年以降88年まで、オックスフォード地方試験委員会に勤務した。勤務のかたわら推理小説を発表し始め、75年に「ウッドストック行最終バス」でデビュー。論理のアクロバットと目まぐるしく変転するプロットで、本格ミステリに新境地を開いた。


 
すぐには眠りに戻れそうもなかったので、気を紛らわせるためにバッグから読みかけのペーパーバックをとり出し、つづきを読み始めた。町の書店で買い求めた新刊のミステリーだ。
「スプートニクの恋人」/村上春樹



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1. Last Bus To Woodstock /ウッドストック行最終バス(1975)  
  難易度

 バス停でウッドストック方面行きのバスを待っていた若い女性二人が、やって来ないバスにしびれを切らしてヒッチ・ハイクしようと歩き始めた。その夜、その片方の娘の死体がレストランの中庭で発見される。モース警部が部下のルイスと共に捜査に乗り出すが、一緒にいたはずのもう一人の女性は、どこかに消えてしまい名乗り出てこない。モースは、それとおぼしき女性をつきとめるが、彼女は否定する....。
 遅咲きの作家コリン・デクスターの処女作で、モース警部のデビュー作です。モース警部は40代半ばで、現在独身、クロスワード・パズルを解くのが趣味ですが、彼が愛好しているクロスワード・パズルはかなりハイ・レベルのようで、幅広い教養がないと解けないみたい。彼はまたワーグナーの楽劇を愛好するワグネリアンでもあり、その辺のところを描写した個所から。

 Crosswords were a passion with Morse, although since the death of the great Ximenes he had found few composers to please his taste. On the whole he enjoyed the Listener puzzles as much as any, and for this purpose took the periodical each week. On the other hand he delighted in Wagnerian opera and had the complete cycle of The Ring. He decided to do both, and to the opening bars of the richly scored Prelude to Das Rheingold, he sat back and turned to the penultimate page of the Listener. This was the life.
 


2. Last Seen Wearing/キドリントンから消えた娘(1976)    
  難易度:☆☆☆

 モース警部登場の第2作目。キドリントンに住む女子高生が行方不明となり、家出なのか犯罪に巻き込まれたのか分らないまま2年が経過した。担当捜査官が交通事故で死亡した翌日に、失踪した本人から両親宛てに、無事である旨の手紙が届く。事件を引き継いだモースは、手紙は偽物で、彼女は既に殺害されていると断定し、捜査を進めるが....。 モースは捜査事実と直感をもとに、彼独自の論理により事件を再構築するが、捜査の進展につれ新たに明らかになる事実により、その論理はくつがえされ、新たな論理構築を迫られる......するとまた新たな事実が発覚し....という具合に目まぐるしく変転するプロットが魅力のシリーズです。とにかく読んでしばらくすると誰が犯人だったのか頭の中が混乱するほどなのです。 本作でもモースの愛好するワーグナーの楽劇「指輪」に関する部分から。

 He left the map and the diary on top of the bookshelf, made himself a cup of instant coffee and selected from his precious Wagner shelf the Solti recording of Die Walkure. No fat man, no thin-lipped woman, no raucous tenor, no sweaty soprano distracted his mind as Siegmund and Sieglinde poured forth their souls in ecstasy of recognition. The coffee remained untouched and gradually grew cold. 

 


3. Service Of All The Dead/死者たちの礼拝(1979)
  難易度:☆☆☆

 教会の礼拝中に起きた殺人事件を発端に、題名通り死者たちの山が築かれるといった感じのストーリー展開となり、モースも彼の仮説に付き合う読者も混乱の極みとなるといった作品。 さすがイギリスらしく、モースは勤務中でも頻繁にパブに出入りしエールやらスタウトやらラガーなどのビールを飲んでいるのがとてもうらやましい(モースは特別)。また、モースはこの作品では47歳となっているけど、結構女性にもてていて、どうもその秘密は彼の魅力的な目にあるようだけど、これもまた実にうらやましいところです。前に紹介した2作では、いろいろな障害があり、残念ながらハッピー・エンドにはならなかったけど本作では、うまくいきそうな展開となっています。

 Morse's eyes followed her slim ankles as she climbed the carpeted stairs ahead of him.
'Bedroom or lounge?'
'Let's go into the lounge a few minutes first,' said Morse,
'There's some whisky here. Do you want a drink?' 
'I want you.' 
'And you can have me. You know that, don't you?' 
Morse took her in his arm as they stood there, and kissed her tenderly on her sweet, full lips. Then, as if the moment were too unbearably blissful to be prolonged, he pressed her body tightly to him and laid his cheek afainst hers.

 


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○ 参考資料
 ・コリン・デクスター(Wikipedia)
 ・Colin Dexter(Wikipedia 英語)

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