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ティツィアーノ 農園のキリスト 油彩、カンヴァス 68×62cm(1553年) |
ヴェネツィア派最大の画家ティツィアーノ(1485頃−1576)は、ジャヴァンニ・ベリーニに師事しジョルジョーネの影響を大きく受けた。
わたしがティツィアーノの歓喜という時、さまざまな逸話を問題にしているのではない。彼の歓喜は、シェイクスピアの場合のように、彼の生命力の娘なのであり、それは生命力と同じように無数の方向をとりうるのである。
本作品は、もともと大きなカンヴァス画だったが、1566年にフェリペ2世の命により裁断された。
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ティントレット 胸をはだける婦人 油彩、カンヴァス 61×55cm |
ティントレット(1518−1594)はティツィアーノに師事、ティツィアーノ亡き後のヴェネツィア最大の画家であった。
一人の色彩画家が描きうる最も悲劇的なものは肖像画である。ティントレットが遺した肖像画群は、世界が誇るべき財宝のひとつである。
本作のモデルは、ヴェネツィアの著名な高級娼婦であるとみなされている。 |
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エル・グレコ 聖アンナと聖ヨハネのいる聖家族 油彩、カンヴァス 107×69cm(1595−1600年) |
エル・グレコ(1541−1614)はクレタ島に生まれ、ティツィアーノに学んだ。その後ローマを経てスペインのトレドに渡り、スペイン教会の庇護のもと、彼独特の宗教画を生み出した。
エル・グレコにおいては、パスカルのいう「理性の知らざる(心情の)道理」が勝利しているのである。動的なもの、陶酔と神秘、熱情の絶対優位が支配しているのである。エル・グレコの眼は異常だったといわれている・・・・・・いや、そうではなく、彼は酔っていたのだ。神の与える酒と薄明に酔っていたのだ。こうした時には、目に見える物はその重さを持っていない。この物が重さを失うことを、詩人たちは、精神化と呼ぶ
― いや呼んだ ― のである。
この絵では幼児キリストを抱く聖マリアとマリアの母である聖アンナ、キリストの傍らの聖ヨハネ、脇から見守っているマリアの夫であるヨセフが描かれている。
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エル・グレコ 聖フランチェスコ 油彩、カンヴァス 160×103cm(1604−1614年) |
聖フランチェスコは、1182年イタリア中部のアッシジに生まれた。彼が創設した「聖フランチェスコ会」は純潔、謙遜、服従および絶対の清貧を旨とし、伝道を行なった。
聖フランチェスコは一般に修道服姿で描かれ、この絵の髑髏(どくろ)のほかに、聖痕、百合の花、十字架像、子羊が描かれる。
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ヤン・ブリューゲル(1世) 田舎の婚礼 油彩、カンヴァス 84×126cm |
ヤン・ブリューゲル(1568−1625)はピーテル・ブリューゲルの次男で細密に群衆や動植物を描き込んだパノラマ的な風景画があり、また静物画では緻密な花の描写にも優れていたため、「花のブリューゲル」と呼ばれた。 |
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