演奏者 |
(演奏時間)/感想 |
フランソワ
ワルツ/バラード/スケルツォ集'54 |
(7:36)サンソン・フランソワ(1924-1970)は46歳で急逝した天才肌のピアニストで、ショパンを得意にしていましたが、とくにバラードのような自由な形式の曲で、彼の真価が十全に発揮されています。破天荒といってもいい個性的で鬼気迫る演奏は聴き手の心をつかみます。 |
ポリーニ
4つのバラード'99 |
(8:35)ポリーニ(1942生)円熟の境地を示す演奏。衰えを知らぬ冴え渡ったテクニックによる、あいまいなところのない、明晰で構築力に優れた演奏で、今のところ一番気に入っています。 |
コルトー
ワルツ/バラード全曲'33 |
(8:38)録音の古さを感じさせない、ロマンの香り高い演奏。コルトー(1877-1962)のアルバムでは、ティボーとのデュオによるフランクとフォーレのヴァイオリン・ソナタの演奏が大好きです。 |
ホロヴィッツ
ショパン集'47 |
(8:49)ホロヴィッツ(1904-1989)の壮年期の録音で、いかにもヴィルトーゾらしい技巧的に華麗な演奏ではあるけれど、冒頭の和音から暗い情念が全曲を通して色濃く感じられます。 |
遠藤郁子
序破急幻'95 |
(9:21)アルバムタイトルの「序破急」とは、能楽の一日の演目であり、一曲の流れでもあるとのこと。遠藤さん(1944生)が癌の手術から回復後に録音されたアルバムで、収録されているバラード全曲と3曲のノクターンには、それぞれ能の演目が併記されています。和服姿でステージに立つなどユニークな面もあるけれど、確かな技術に支えられたエモーショナルな演奏は、聴く人の心に訴える力を持っています。 |
田部京子
ショパン・リサイタル'92 |
田部さん(1967生)のデビューアルバムです。クリアーなタッチによる清清(すがすが)しい凛とした演奏という田部さんの特質は、既にこのアルバムで示されています。 |
アシュケナージ
バラード/スケルツォ全曲 |
(9:43)全体としてゆったりとしたテンポの中で、緩急自在のスケールの大きなダイナミックな演奏が展開されています。アシュケナージ(1937生)の特質であるピアニズムの美しさ、豊饒さも遺憾なく発揮されています。 |