演奏者 |
(演奏時間)/感想 |
G.グールド
フランス組曲全6曲'72
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(2:01)これは速い。グールドの面目躍如という感じの演奏です。ノン・レガートで歯切れよく、構成がしっかりしているので、急速調でもとりわけ違和感を感じさせないところはさすが。フランス組曲の他に、フランス序曲が収録されています。 |
A.ガブリーロフ
フランス組曲全6曲'84
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(2:44)適度にペダルを使って柔らかな感じを出していて、速い演奏ですが、あわただしいという印象はありません。フランス組曲の他に、ブーニンによるイギリス組曲第3番とイタリア協奏曲が収録されています。
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A.シフ
フランス組曲全6曲'91
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(3:09)現代感覚のバッハを代表するシフの演奏は明快で、めりはりのある演奏です。録音もダイナミックレンジが広く、華やかな感じがします。フランス組曲の他に、フランス風序曲とイタリア協奏曲が収録されています。
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I.ヘブラー
フランス組曲全6曲'80
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(3:21)モーツァルトやシューベルトの演奏で定評のあるピアニストですが、この曲の演奏でもロココ的な面が明確にされ、女性らしい細やかな情感のこもったとても親密な演奏となっています。
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T.ニコラーエワ
フランス組曲全6曲'84
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(3:28)ニコラーエワは、とくにバッハ演奏に定評のあるロシアの女性ピアニストです。同じ女性ピアニストながら、ヘブラーのような親密さは感じられませんが、僕がこの曲に求める気品の高さ、精神の勁(つよ)さを最も感じさせる演奏で、この曲のアルバムでは一番気に入っています。
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小林道夫
フランス組曲全6曲'76
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(3:30)小林さんは日本を代表するチェンバロ奏者ですが、このアルバムではピアノを弾いています。ていねいで誠実な演奏ですが、精神性も感じさせ、ニコラーエワの演奏に次いで好きなものです。'02年の発表会ではお手本にしました。当初この曲集に含まれていたとされるイ短調と変ホ長調の2つの組曲が合わせて収録されています。
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T.コープマン
フランス組曲全6曲'93
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(3:48)トン・コープマンはオランダの古楽演奏家で、レオンハルトに師事していました。チェンバロで弾く場合には、ゆったりとしたテンポで音色の変化と様々な装飾音を多用して演奏する場合が一般的で、ここでのコープマンも同様です。後半の繰り返しを省略して演奏しているのはグールドと同じです。 |
K.ジャレット
フランス組曲全6曲'91
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(4:05)ジャズ・ピアニストであるキースは、バッハのアルバムを多く録音していて、ピアノとチェンバロによる演奏がありますが、この曲集ではチェンバロを弾いています。彼のバッハ演奏は、意外なほどにオーソドックスなもので、ゆったりとしたテンポで旋律を歌わせています。
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レオンハルト
フランス組曲全6曲'75
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(4:14)レオンハルトはチェンバロ、オルガン演奏とともに指揮者としても活躍している古楽演奏の大家です。この曲では繰り返しを省略して演奏されていて、ちょっと癖のある節回しが魅力です。曲集全体として大家らしい充実した演奏です。
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W.リュプザム
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(4:21)
廉価盤のNAXOSレーベルで、ピアノによる演奏としては際立って遅いテンポで弾いています。節回しもちょっとレオンハルト風で、おそらくチェンバロのスタイルに擬していると思われますが、ユニークでなかなか面白い演奏です。第1番のほかに組曲第2番とイタリア協奏曲などを収録。
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C.ホグウッド
フランス組曲全6曲
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(4:24)ホグウッドはイギリスの鍵盤奏者、指揮者で、オリジナル楽器を使って演奏したモーツァルトの交響曲全集で一躍脚光を浴びました。音楽学者でもある彼の綿密な考証に基づいた落ち着いた演奏で、調律も当時のものに変えて演奏されているとのこと。小林道夫盤同様、イ短調と変ホ長調の2つの組曲が合わせて収録されています。
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