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ペーパーバック(洋書)入門

「凡そ人の手によって書かれたもので、」というのが僕たちの三色刷りパンフレットの輝かしいキャッチフレーズだった。
「人の理解され得ぬものは存在しません。」
「1973年のピンボール」/村上春樹

 
ペーパーバック読書の効用 
1)原文を読むことにより、その作家がもつ文体の特長(香りと言ってもよい)がよくわかるようになります。翻訳で読んだほうが誤読の可能性は、はるかに小さくなりますが、それ以上に著者の文章に直接触れられるというメリットも大きいと思います。
 
2)翻訳が出る前に作品を読むことができる。好きな作家の作品でもいつになったら翻訳が出るかわからないし、出ない可能性だってじゅうぶんあります。
 
3)英文の読解力がつく : 学生の場合、1年間の授業で読む英語のページ数は、おそらくペーパーバック1冊分(平均150から200ページくらい)に満たないのではと思います。量をこなすことにより、自然と読解力がつき、それに比例して読むスピードが速くなります。TOEICなどでは、一定時間に相当量の英文を読みこなす能力が必要となりますが、日頃からペーパーバックを読んでいると点数は確実に上昇します。
 
4)たとえ中途でほうり投げたとしても、本棚に並べられた数冊のペーパーバック(文学作品が望ましい)は、部屋のアクセントとなります。
 

ペーパーバック読書の基本 
1)辞書を片手に読まないこと。わからない単語が出てきてもキーワードでない限り、気にせず読みつづける勇気が大切です。
 
2)読書と英文和訳は別物であることを認識すること。当初は英語を頭の中で日本語にしないと内容を理解した気にならないと思いますが、読み進むにつれ内容に夢中になってくると自然と英語として理解できるようになります。
 
3)最初わからなくても30ページは我慢して読んでみること。30ページ読んでみて、書いてあることがほとんど理解できない場合には現時点では、縁がないものと考えたほうがよさそうです。どうしても読みたい本であれば修行を積んで出直しましょう。
 
4)ボキャブラリーは、あればあるほど有利なので、日頃から語彙を増やす努力を惜しまないこと。特別に単語を覚える努力をしなくても、ペーパーバックを読んでいるとボキャブラリーは増えますが、効率的に増やすには、読書とは別に参考書などで覚える努力をしたほうが結果的に読書がもっと楽しくなります。
 

段階的チャレンジ 
最初は比較的やさしいものでスタートし、慣れたところで目的の作家・本にチャレンジしたいという場合には以下のような方法が考えられますので参考にしてください。
1)翻訳で読んだことのある本のペーパーバックから読んでみる。始めからストーリーの展開がわかっているから、不安感をあまり持たずにとりかかることが出来ると思います。
 
2)比較的やさしい英文のペーパーバックから読む。世界的なベストセラーとなった「ハリー・ポッター・シリーズ」がおすすめです。当HPでも紹介しています。
 またハリー・ポッターよりさらに読みやすい作品として、ロアルド・ダールの児童向け傑作「マチルダは小さな天才」や「チョコレート工場の秘密」などがあります。
児童文学の名作をペーパーバックで(当サイト)
 
3)対訳本あるいは注釈付の本を使う。対訳本はたくさんありますし、注釈付では講談社英語文庫がタイトル数も多く適当なのではと思います。ただ対訳本ではどうしても日本語に訳して理解するというプロセスになりがちなので、あまりおすすめできません。
   


 

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