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J.K. Rowling (1965 - )
J.K. ローリング

英国の生まれ、育ち、Exeter大学を卒業した。ポルトガル人のジャーナリストだった夫と離婚後、ポルトガルより戻った彼女は、幼い娘ジェシカを抱えて生活保護を受けながらエディンバラのアパートで暮らしていた。子どもの頃から作家になりたいという夢を持っていた彼女は、わずかな時間を見つけては、カフェのテーブルでハリーポッター・シリーズ第1作目を書いた。'01年に第1作目が映画化された。


I just write what I wanted to write.  I write what amuses me.
It's totally for myself.  I never in my wildest dreams expected this popularity.
/J.K. Rowling



「ハリー・ポッター・シリーズ」は、緻密に練られた一貫性をもったストーリーゆえに、娯楽作品として、また少年・少女達の成長物語として、大人でも十分に楽しめるシリーズとなっています。以下の内容を紹介しています。

ペーパーバック読書のおすすめ
作品の魅力について
作品・映画紹介
参考Webサイト
物語の背景(理解を容易にするために)
主要登場人物
 
ロダンさんに、ハリー、ロン、ハーマイオニーがそろった、とてもすてきなイラストを描いていただきました。
 
作品・映画紹介ページへ
 
ペーパーバック読書のおすすめ
 ハリーポッター・シリーズは、これからペーパーバックを読んでみようと思っている方で、初めに何を読もうか迷っている方に、ぜひトライしていただきたいと思います。ペーパーバック初心者にとって、これほど条件に恵まれたシリーズはないと断言できます。

・読みやすい英語です。
基本的に英語圏の子ども(小学生)が読めるレベルの英語です。
・とても面白い。
読みやすい英語でもつまらなくては読みつづける意欲が持続しません。逆に面白ければ、少々わからない単語、文章が出てきても読み続ける意欲に引っ張られていつのまにか読み終えていたということになります。1ページ中にわからない単語が10個くらいあっても辞書を引かずに読書を楽しめることがわかればしめたものです。
・シリーズ物なので巻を追うほどに読みやすくなる。
物語の背景、登場人物が頭に入っていれば、新しい物語を読むのに比べ、はるかに読みやすくなります。
・サポートするWebサイトがある。
原書で読もうとしている人をサポートする強力なサイトがいくつもあり、使用されている単語解説を始め、多くの点で読書の助けとなるし、同じように原書に挑戦している仲間との交流もでき、励みになります。
 
作品の魅力について
 過去のファンタジー・シリーズの名作「指輪物語」(トールキン)、「ナルニア国物語」(C.S.ルイス)や「ゲド戦記」(ル・グィン)に比べて、まず感じるのは、このシリーズがエンターテインメント性において秀でている点だと思います。とにかく文句なしに面白い。でもそれだけではなく、ハリー、ロンそしてハーマイオニーの11歳から17歳に至る思春期における彼らのアイデンティティ獲得の過程を鮮やかに描いた教養小説としての側面も、それに劣らず大きくて、僕がこのシリーズに惹かれるのは、どちらかというとこちらのほうの興味においてなので、そのあたりをキャラクター別に整理してみました。

・ハリー
11歳になるまで、ダーズリー家では、彼のアイデンティティというものは否定され、存在し得なかった。ところが魔法界では、いきなりヒーローとして扱われるという極端なコントラストに当初はとまどうハリーですが、巻が進むにつれ精神的にもたくましくなり、将来の魔法界のリーダーとして成長していくことは間違いないようです。唯一の不安は、ヴォルデモートの刻印と考えられる額の傷が指し示すものが、最後にハリーに、自身と魔法界の平和の回復とを天秤にかけた選択を迫るものとなるのではないか、ということなんですが。とはいえ、ハリーはシリーズの主人公として、勝ち続けること、成長し続けることから大きく逸脱するようなことはできないという前提があるので、僕にとって生きたキャラクターとしては、他の二人に比べると面白味に欠けると言えないことはないんですが....  

・ロン
僕にとって一番興味のあるキャラクターです。7人兄弟の6番目。これだけでも相当に気の滅入ることに違いないけど、妹のジニーはともかく、5人の兄達はみな成績優秀で、これといった才能に恵まれない彼が兄達に対して劣等感を抱くのは無理からぬことですが、一方ホグワーツ校においてもハリーの活躍の陰に隠れてしまい、ここでも自分の確固とした存在意義を見出すことがなかなか難しいようです。こうした、いわば僕たち凡人の立場に一番近い存在である彼が17歳になったとき、どのような姿で僕たちの前に立ち現れてくるのかとても興味があります。願わくば、ハリーの引き立て役で終ってしまって欲しくないんですが。
・ハーマイオニー
両親が魔法使いでない普通の人間(マグル)であるため軽蔑、差別されたり、魔法界では肩身の狭い思いを強いられ、その反動からかガリ勉に励む彼女ですが、作者は彼女の置かれたこうした状況を現実社会における女性一般の立場のアナロジーとして設定しているのかなという気がしています。同じ女性として、作者が一番感情移入しているのがハーマイオニーであると考える事は極めて自然であるし、やはり女性のSF作家ル・グィンのファンタジー「ゲド戦記」が、次第にフェミニズムの色濃いものになっていったのと同様の展開が見られるのかどうか。また、5巻以降スポットが当るであろうジニーの生き方との対比も、作者の重要な関心事である事は間違いないことだと思うので、こちらの展開も見逃せません。
・(番外)ドラコ・マルフォイ
成長物語としてこのシリーズを捉えたとき、彼はヴォルデモートの片腕となるまでに立派に成長(?)できるのだろうか。現在の彼を見る限り、狂言回し的な役割に甘んじていて、どうもその器ではない気がするのだけれども。そんなところから想像するに、紆余曲折はあるだろうけど、彼は自分のヴォルデモートの後継者としての資質に疑問を抱き、最後にはハリーと団結して(あるいはヴォルデモートを裏切るという形で)、究極の悪に立ち向かうといった展開の可能性のほうが高いような気がします。
 
作品紹介(映画を含む)
以下を紹介中です。多少ネタバレを含んでいますのでご注意。 → 紹介ページへ
第1巻 Harry Potter and the Philosopher's Stone/ ハリー・ポッターと賢者の石(1997)
(映画)ハリー・ポッターと賢者の石/ Harry Potter and the Philosopher's Stone(米・2001)
・第2巻 Harry Potter and the Chamber of Secrets /ハリー・ポッターと秘密の部屋(1999)
(映画) ハリー・ポッターと秘密の部屋/ Harry Potter and the Chamber of Secrets (2002)
・第3巻 Harry Potter and the Prisoner of Azkaban/ハリーポッターとアズカバンの囚人 (1999)
・第4巻 Harry Potter and the Goblet of Fire/ハリー・ポッターと炎のゴブレット (2000)
・第5巻 Harry Potter and the Order of the Phoenix/ハリー・ポッターとフェニックス騎士団(仮称)(2003)
・第6巻 Harry Potter and the the Half-Blood Prince /ハリー・ポッターと謎のプリンス(2005):内容紹介のみ
・第7巻 Harry Potter and the the Deathly Hallows /ハリー・ポッターと死の秘宝(2007)
(映画)ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2/Harry Potter and the the Deathly Hallows Part2(2011)
 
参考Webサイト
○ハリー・ポッター関連出版リスト : amazon. com.(洋書和書DVD

○国内サイト
・Wikipedia
ハリー・ポッター シリーズについて
登場人物
ハリー・ポッターシリーズの用語
ホグワーツ魔法魔術学校
ハリー・ポッターシリーズの魔法
ハリー・ポッターシリーズの魔法薬
第1巻 第2巻 第3巻 第4巻 第5巻 第6巻 第7巻
 
○海外サイト
J.K.ローリング公式サイト
 
物語の背景(理解を容易にするために)

・魔法世界
このシリーズの魔法世界は、魔法とは無縁の我々(マグル muggle と呼ばれる)の世界と異次元の世界ではなく、共存しています。ただ、彼らの呪文(charm)の力や魔法事故処理班(the Accidental Magic Reversal Squid.)の努力により我々が気づかないだけ。魔法世界に属する人々の数も、世界各地にある魔王魔術学校や、この世界で最もポピュラーなスポーツであるクィディッチのワールド・カップが開催されたスタジアムの収容規模(10万人)を考えると(第4巻)、少なくても百万人以上はいるのではないかと考えられます。行政機構もどこかの国なみに複雑怪奇。

・魔術魔法学校
世界各地にあり、魔法世界の子弟の教育を行なう全寮制の学校で、11歳で入学し7年間で基本的な魔法を習得します。学年の区切りに1ヶ月の夏休みがあります。ハリーが学ぶホグワーツ魔術魔法学校(Hogwarts School of Witchcraft and Wizardry)は、イギリス・スコットランドにあり、生徒は9月の学年の始めにロンドンのキングスクロス駅の9と4分の3番線から出発する蒸気機関車に乗って学校に向かうことになります。
ホグワーツ校には、ハリーが属するグリフィンドール(Gryffindor)を始めとして、スリザリン(Slytherin)、ハッフルパフ(Hufflepuff)、そしてレイブンクロー(Ravenclaw)の4つの寮があって、それぞれ特色があり、新入生は入学初日に組み分け帽子(the Sorting Hat)により組み分けされます。

・クィディッチ(Quidditch)
魔法世界の誰もが夢中になっているスポーツ。選手は空飛ぶほうき(broomstick)に乗ってボールを相手ゴールに叩き込んで得点を競うもので、勝敗を左右する最重要ポジションがシーカー(seeker)で、ハリーはホグワーツ1年生でグリフィンドール・チームのシーカーとなり活躍します。シーカーがスニッチ(snitch)と呼ばれる特別のボールをつかむとその瞬間にゲームは終了となり、味方に150点の大量得点となります。毎巻必ず対戦場面が登場し、観戦しているうちに、段々面白くなってくるから不思議。全く新しいスポーツ競技を創造してしまうローリングという人は、やはりただ者ではありません。
 
主要登場人物
・ハリー・ポッター(Harry Potter)
両親とも魔法使いだったハリーは両親亡き後、母方の叔母夫婦であるダーズリー(Dursley)家に引き取られ、粗雑な扱いを受けながら成長し、11歳になり魔法の世界の学校ホグワーツに入学することになります。
丸いメガネをかけている。年の割には小柄でやせていて、ほっそりした顔立ち、節くれだったひざ、黒髪、明るい緑色の目。額には自分の外見で唯一気に入っているいなづま形の傷がある。
Harry had always been small and skinny for his age. Harry had a thin face, knobbly knees, black hair and bright-green eyes. The only thing Harry liked about his appearance was a very thin scar on his forehead which was shaped like a bolt of lightning.(第1巻)
・ロン・ウィーズリー(Ron Weasley)
ホグワーツ校でのハリーの親友で、ハリーと同じグリフィンドール生。赤毛、ウィーズリー家の7人兄弟の下から2番目。ロンの妹で唯一の女の子のジニー(Ginny)はハリーのファン。ロンのすぐ上の双子の兄弟フレッド(Fred)とジョージ(George)はいたずら好き。その上のパーシー(Percy)は生真面目な優等生。あとの二人の兄ビル(Bill)とチャーリー(Charlie)は、ホグワーツ校を卒業して魔法界に就職している。父親は、魔法省(Ministry of Magic)に勤務。
背が高く、やせていてひょろ長い。そばかすのある顔、大きな手足、長い鼻。
He was tall, thin and gangling, with freckles, big hands and feet and a long nose.
・ハーマイオニー・グレンジャー(Hermione Granger)
ロン同様、ホグワーツ校でのハリーの親友の女の子で、同じグリフィンドール生。ガリ勉の優等生。彼女の両親は、ふつうの人間で歯医者を開業している。
威張った感じの声で、たっぷりとしたふさふさの栗色の髪、やや大きな前歯。
She had a bossy sort of voice, lots of bushy brown hair and rather large front teeth.(第1巻)
・ルビウス・ハグリッド(Rubeus Hagrid)
ホグワーツ校の番人。モンスターが大好きな、普通の人間の2倍くらいあるものすごい大男。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人組と友達となる。スコットランドなまりのきつい英語を話す。
長い毛むくじゃらのたてがみのような毛と、乱れ、もつれた髭とで顔がほとんど隠れている。髪の毛の間からのぞく目は漆黒のカブトムシのようにきらきら輝いている。
His face was almost completely hidden by a long, shaggy mane of hair and a wild, tangled beard, but you could make out his eyes, glinting like black beetles under all the hair.(第1巻)
・ドラコ・マルフォイ(Draco Malfoy)
ホグワーツ校でハリーとの犬猿の仲で、同学年のスリザリン生。青白く、あごのとがった顔(a boy with a pale, pointed face)。
・アルバス・ダンブルドア(Albus Dumbledore)
ホグワーツ校の校長。現代最高の魔法使いと考えられている。ボーリングと室内楽と御菓子が好き。
長身で、やせていて、髪やひげから推しはかるとかなりの年で、髪も髭も長くてベルトにはさんでいる。半月形のメガネの奥の青い目は明るく、ぱっちりとしていて、きらきら輝いている。鼻はすごく長くて、少なくても2回くらい骨折したみたいに曲がっている。
He was tall, thin and very old, judging by the silver of his hair and beard, which were both long enough to tuck into his belt.
His blue eyes were light, bright and sparkling behind half-moon spectacles and his nose was very long and crooked, as though it had been broken at least twice.(第1巻)
・ミネルバ・マクゴナガル(Minerva McGonagall)
ホグワーツ校の副校長でグリフィンドールの寮監でもある。変身(Transfiguration)の魔法を教える厳格な先生。
・セブルス・スネイプ(Severus Snape)
スリザリンの寮監で、種々の魔法薬(potion)を教える先生。ハリーを嫌っている。
目の瞳は、ハグリッドと同じように漆黒だが、彼のような暖かさは全くなくて、冷たく、空虚で真っ暗なトンネルを連想させる。(第1巻)
His eyes were black like Hagrid's, but they had none of Hagrid's warmth. They were cold and empty and made you think of dark tunnels.
・ヴォルデモート(Voldemort)
ハリーの宿命の敵で最強の黒魔術師。ハリーの両親は彼に殺された。彼を恐れる魔法界の人々は、彼の名の代わりに、"例のあいつ(You-Know-Who)"と呼ぶ。
 

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