ロック

 ロビー・ロバートソン(1944−  ) 
  ROBBIE ROBERTSON

 カナダのトロントの生まれ。'50年代末にロニー・ホーキンスのバック・メンバーとして演奏活動を開始。そのときに集まったメンバーで独立し、彼をリーダー格として、1968年にザ・バンドがデビューした。ボブ・ディランと活動を共にするなど交流があり、数々のセッションを重ねている。1976年のザ・バンド解散後、あまり活発な音楽活動は行なっていなかったが、'87年に初ソロ・アルバム「ロビー・ロバートソン」を発表、注目を集めた。




音楽だからいろいろ経験できる。音楽はどこへでも連れてってくれる。知らないところへ.... 肉体的にも、精神的にも。
/ ロビー・ロバートソン


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 1. ロビー・ロバートソン/Robbie Robertson(1987)

 ザ・バンド解散後、彼のソロ・アルバムが長い間待たれていたが、10年後にようやく発表されたのが本作です。3年がかりで制作されたとも言われている本作には、元ザ・バンドのメンバーを始め、ピーター・ガブリエルやU2が参加しています。ここで聴かれるサウンドはザ・バンドのダウン・トゥー・アースなそれとは随分と違ったもので、それは10年という時代の変化によるものか、それともこれが本来彼がやりたかった音楽なのかはわからないけれど、おそらくは後者なのではと想像されます。いずれにせよ完成度の高い、80年代における傑作ロック・アルバムだと思います。
 1曲目の「堕ちたエンジェル」は、自殺したザ・バンドのメンバーだったリチャード・マニュアルに捧げたエモーショナルな曲。
 U2が参加している「Sweet of Love」ではイントロでの一聴それとわかるエッジのギター、ボーノのパワフルなバック・ボーカルが曲を盛り上げていて「American Roulette」と並び、このアルバムのハイライトとなっています。その他の曲も、彼らしい情感に満ちたものです。



 2. ストーリーヴィル/ Storyville(1991)
       GEFFEN

 前作から4年ぶりのソロ第2作目のアルバムで、元ザ・バンドのメンバーの他に今回はニール・ヤングが録音に参加している。緊張感が漂っていた前作の冒頭曲より、肩の力の抜けた感じの「Night Parade」で始まる本作は、かつてのザ・バンドのサウンドにより近づいたともいえる。ストーリーヴィルは、20世紀初頭のニューオリンズにあり、キャバレー、売春宿や酒場が集中した地帯で、店では明け方までバンドが演奏をしていたという。1917年に閉鎖されたというこの町へのノスタルジーが、このアルバムのコンセプトなのかもしれない。
 特に印象に残るトラックは、冒頭曲や、ニール・ヤングが参加している「Soap Box Preacher」のほかに、「Day of Reckoning」、「Breaking the Rules」など数々あり。日本盤でのボーナストラック「The Far Lonely Cry of Tears」(インストゥルメンタル)では坂本龍一が参加しているとのことです。
 世評は前作のほうが高いのかもしれないけど、聴くほどに味わいの出るアルバムで、個人的には甲乙付け難いと思っています。



 3. ネイティヴ・アメリカン/ Music For The Native Americans(1994)
        Capitol     

 ロビー・ロバートソンが制作したアメリカ・インディアンに関するテレビのドキュメンタリー番組用のサウンドトラック・アルバム。実は彼の母はアケイディア・インディアンであり(父はユダヤ系カナダ人)、本作と最新作である次に紹介するアルバムでは、ネイティブ・アメリカン・ミュージシャンと共演していて、サウンド面でも彼らの音楽を大きく取り入れています。 ロビー・ロバートソン自身は最初のソロ・アルバム制作においても、そのこと(自らのルーツ)について意識していたと語っています。アメリカではネイティブ・アメリカン・ミュージックというのはちょっとしたブームとなっているそうで、ビッグネームであるロバートソンのアルバムも、その一因となっているようです。
 このアルバムでは、、ボーカルにやはりインディアンのルーツを持っていると思われるリタ・クーリッジが参加していて彼女が共演している「Golden Feather」、「Ghost Dance」を始め、Pura Feによる「Mahk Jchi」(ケイト・ブッシュを思い起こさせるようなサウンドですね)、「Skinwalker」などが印象的で、その他トラディショナル・ソングも収録されていて、ネイティブ・アメリカン・ミュージックを聴いてみようという人にもちょうど良いのではと思います。



 4. コンタクト・フロム・ジ・アンダーワールド/ Contact From The Underworld Of Redboy(1998)
       Capitol 

 前作の延長線上にあるアルバムで、アルバム・コンセプトも同じといっていいと思います。今回もネイティブ・アメリカン・ミュージシャンと共演していて1stトラックである「The Sound of Fading」のようなトラディショナルの音楽も含まれていますが、生のままではなく、あくまでロビー・ロバートソンの音楽となっています。人種問題との関連で、「Sacrifice」ではFBI捜査官を殺害した容疑で投獄されているインディアンの活動家レオナード・ペルティアの電話での声を曲に組み入れるという事もやっています。 そんなこんなの背景を知らなくても音楽として、たとえば「Unbound」とか「In the Blood」など気に入っています。
 今後、どういった方向に彼が進んでいくのか、次のアルバムを期待しつつ注目していきたいと思います。




 5. 南十字星/Northern Lights, Southern Cross(1975)by The BAND
       Capitol

 ザ・バンド末期の代表作です。全曲がロビー・ロバートソンのオリジナルで統一されています。ボブ・ディランの久々のコンサート・ツァーで共演した傑作アルバム「偉大なる復活」(1974)でのタイトな演奏がここでも聴かれます。シンプルで、ダウン・トゥー・アースな彼らの比較的地味なサウンドは、当時日本ではあまり受けなかったような気がします(「ラスト・ワルツ」を観る前は、僕もディランとの兼ね合いで聴いていただけだった)。聴き込むほどに味わいが出てくる暖かい音楽なんですが。この中では、ロバートソンが自らのルーツであるアカイディアを歌った「アカイディアの流木」と、リック・ダンゴのボーカルによる「同じ事さ!」がいいと思う。



 (映画)ラスト・ワルツ/The Last Waltz(1978) 


 
舞台で生きることやすべてを学んだ。 もう降りるよ。
 素晴らしい人たちが音楽に死んでいった。ハンク・ウィリアムズ、ジャニス、ジミー・ヘンドリックス、エルビス..... そんな人生はもう不可能だ....... 絶対に。  / ロビー・ロバートソン


 ザ・バンドの伝説的な解散コンサートを、「タクシー・ドライバー」の監督マーティン・スコセッシが撮った映画で、「ウッド・ストック」や「Let It Be」と並んでロック・ミュージック映画の傑作だと思う。僕が劇場で見た回数はこの映画が一番多い。この「ラスト・ワルツ」コンサートは、1976年11月サンフランシスコのウィンターランドで行なわれたもので、ゲスト・ミュージシャンとして長年の盟友ボブ・ディランを始めとして、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソン、ニール・ダイアモンド、エミルー・ハリス、マディ・ウォーターズなどが参加しザ・バンドと共演しています。ゲスト人もすごいけど、やはりここではロビー・ロバートソンのかっこいいギターワークが一番印象的です。クラプトンとの共演では、特に意識して頑張っているようで楽しい。 ちなみにクラプトンは、クリーム時代からザ・バンドのサウンドに惹かれていたとの事です。


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